ルミ子の母・愛子はルミ子の二人の父親について、次のように述べている。
「留美子が物心つくかつかないうちから、一緒にお風呂に入っている時を狙って、忠士が本当の父親ではないことを話して聞かせました。そうやって自然に話して聞かせることで、多感な十五、六歳になってから大きなショックを受けないように。世間ではその頃になって本当のことを知って不良になったなどという話をたくさん耳にしていましたから。『留美子、本当のお父さんは違うんだよ。仕方がないの、死んでしまったから・・・』」
(小柳愛子著「小柳ルミ子の真実」から)
しかしルミ子は後年(1993年7月)、雑誌社の取材に次のように答えている。
「あれは私が小学校五年生くらいのときでした。(略)そのとき初めて知ったんです。本当のお父さんは私が三歳のとき病気で亡くなったこと。いまのお父さんはそのあと母が再婚した相手であること。それはショックでした。言い難い悲しみが襲ってきて、私はポロポロ涙を流して泣きました。(略)母が私に本当のことを知らせたくない、あわよくば将来にわたってずっと隠し通したい、今の夫を本当のお父さんだと思わせておきたいと考えたのは、結局のところ母の唯一最大の目的である『私を一流の歌手に育てる』プログラムの一環だったのかもしれません。」
ここで母と娘の発言に、食い違いが見える。
真実はどうだったのだろうか。
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(お風呂で)
母 「ルミ子 あのね お父さんは いないの」
ルミ子 「そうよ 今日は(佐賀の)ミカンを運ぶから 遅くなるって」
母 「そ そうではなくって 亡くなったのよ」
(ルミ子はシャンプーの容器を振りながら)
ルミ子 「うん (シャンプーが)無くなったよ」
母 「胸を悪くしてね・・・」
ルミ子 「大丈夫よ お父さんは 車に酔ったりしないから」
母 「ハ 肺が・・・」
ルミ子 「うん 先生には 『はいっ』て返事してるよ 元気でいいって」
母 「・・・・・・・」
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母の想いは、娘には伝わらない。
母も、なにものかに追い詰められているのだ。
いつか、わかってくれる時が来るのを祈っていた。
♪ いつも私に 教えてくれた
まごころを 愛情を ありがとう
どうしたの 母さん 心配しないで
私はこんなに 大きくなったのに
ふるさと 母さん ふるさと 母さん ♪
(小柳ルミ子<ふるさと母さん>より)
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唄ってよ 愛の歌を
踊ってよ あなたは天使
by 柘植信彦
2010年6月25日金曜日
2010年6月5日土曜日
肩車と愛子 ー その(2)
(弊ブログ 2009年9月「小柳ルミ子紀行 肩車と愛子」からの続きです。)
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「ずーっと先の話しだけど、ルミ子がこの川を渡る時にも 肩車をしてあげてね」
「ルミ子は そこの飛び石を 自分でピョンピョン 跳んでゆきそうだけどな」
「ルミ子は 肩車をして欲しいのよ お父さんに」
「ウン 分かった」
「ありがとう あ そうだ 忠士さんはどこ?」
「忠士は 飲み屋のツケを遺したから 面目なくて 向こうに隠れているんだ」
「ホホ そんなこと気にしなくて良いのに ルミ子のお父さんだもの
ルミ子がスターの階段を昇るたびに 祝杯を挙げてたんでしょう」
♪ いつだって あなたは 口数も少なくて
わたしの 我が儘をきいてくれてたわ
もう遅い 遅いけれど あなたに伝えたいのよ
あんなに素敵な日々を ほんとにありがとう ♪
(小柳ルミ子<風よ伝えて>より)
彼岸に着いた
愛子は 光義の肩車から 降り
ルミ子のいる此岸を振り返った
「ルミ子 強く 生きるのよ」
ルミ子が楽屋の電話から唄い贈る<瀬戸の花嫁>は もう 聞こえて来ない
舞台に立ったのだろう
「ここからは ひとりで」
愛子はうなづくと ひとりで 歩き出した
父母の待つ
遠い輪廻の光に向かって
♪ いつの日か いつの日にか
風よ あなたに伝えて
あんなに優しい愛を ほんとにありがとう ♪
☆
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唄ってよ 愛の歌を
踊ってよ 天使のように
by 柘植信彦
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「ずーっと先の話しだけど、ルミ子がこの川を渡る時にも 肩車をしてあげてね」
「ルミ子は そこの飛び石を 自分でピョンピョン 跳んでゆきそうだけどな」
「ルミ子は 肩車をして欲しいのよ お父さんに」
「ウン 分かった」
「ありがとう あ そうだ 忠士さんはどこ?」
「忠士は 飲み屋のツケを遺したから 面目なくて 向こうに隠れているんだ」
「ホホ そんなこと気にしなくて良いのに ルミ子のお父さんだもの
ルミ子がスターの階段を昇るたびに 祝杯を挙げてたんでしょう」
♪ いつだって あなたは 口数も少なくて
わたしの 我が儘をきいてくれてたわ
もう遅い 遅いけれど あなたに伝えたいのよ
あんなに素敵な日々を ほんとにありがとう ♪
(小柳ルミ子<風よ伝えて>より)
彼岸に着いた
愛子は 光義の肩車から 降り
ルミ子のいる此岸を振り返った
「ルミ子 強く 生きるのよ」
ルミ子が楽屋の電話から唄い贈る<瀬戸の花嫁>は もう 聞こえて来ない
舞台に立ったのだろう
「ここからは ひとりで」
愛子はうなづくと ひとりで 歩き出した
父母の待つ
遠い輪廻の光に向かって
♪ いつの日か いつの日にか
風よ あなたに伝えて
あんなに優しい愛を ほんとにありがとう ♪
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唄ってよ 愛の歌を
踊ってよ 天使のように
by 柘植信彦
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