2010年8月2日月曜日

自転車に乗れない子 ルミ子

室見川の畔に、小さな野原があった。

母 「うしろを持っていてあげるから、強くペダルを踏んでーッ」

(しかし赤い小さな自転車はまっすぐ行かず、倒れてしまう)

母 「アラアラ、どうもバランスがとれないワネ、もう一度やってみましょう」

(何度やっても、自転車は倒れてしまう)

母 「おかしいワネ、バレエではあんなに体のバランスがとれるのに・・・。  
わかったワ! あなた下を向いているから、バランスがとれないのよ。
   前を、正面を向いて運転しなきゃ」

(やっぱり自転車は倒れる)

母 「まーだ下を向いてる。どうして正面を見ないの」

ルミ子 「だって、アリンコを踏んづけたらかわいそうでしょ」

母 「えーッ???」

ルミ子はいつまでも自転車に乗れなかった。
 
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この世を生き抜くには、優しくない方がいい

優しすぎると、負け続けるから

それでも優しくありたい

愛いっぱいに生きたい
 

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唄ってよ 愛の歌を
踊ってよ あなたは天使

        by 柘植信彦

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